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即戦力としては破格なのでむしろニーズは増えている
私が初めて派遣社員として働き始めたのは32歳です。現在、2期が放映されているドラマ「ハケンの品格」の1期がその少し前に放映されていて、その劇中では「派遣社員35歳定年説」が派遣社員の中では不文律となっている、というくだりがありました。
まじか、あと3年じゃん…とビビっていた私もあれから10余年…いまや40代。今でも転々と派遣社員と続けています。なぜか?
1. 若い即戦力は正社員での転職も視野に入れられる時代
氷河期世代にどの企業も新卒採用を絞ったせいで、現在管理職を担える年代が極端に少なくなっている状況です。同じ轍を踏むまいと極端な採用人数の制限をしないようにしていること、アベノミクスで国民の実感は薄いものの景気が上向きになったことも新卒採用が売り手市場に転じたこともそれを下支えしていたといえるでしょう。(実際は2018年で景気上昇は頭打ちだったとのことではありますが)
また女性が産前産後休暇、いわゆる育児休業を取得しやすい風潮が出てきたことも大きいです。新卒採用ではない20歳代の女性を採用する際には「今後結婚の予定はあるか」「妊娠・出産の予定はどうか」など当然のように聞いてきて(今もモラルの低い企業ではあるかもしれませんが)、小さい子供などいようものなら門前払いでした。
このような背景からスキルやキャリアがある若年層は、一般的には派遣社員になる前に正社員での転職を視野に入れられるようになったため、一定基準以上のスキルを派遣社員に求める場合、40歳代以上の派遣社員も十分競合できる、というわけです。

2. 正社員の給与テーブルより格安で雇用できる
一般的に、正社員の給与は学歴、職能、職種、年齢などで一覧化された給与テーブルのようなもので決められることが多いため、仮に20歳代と40歳代で学歴などが同じ条件なら、40歳代のほうが給与が高く設定されています。
同一労働同一賃金が2020年4月に大企業(中小企業は2021年4月)で先んじて導入され、それに伴い派遣社員の平均時給も多少上がっている実感はありますが、同年代の正社員の時給換算額と同じかといわれると、そうではないと思います。多くの派遣会社では時給に退職金と賞与を含めて算出、とあるためそれを加味すると、やはり買いたたかれれているなぁ、という印象は否めません。
とはいえ、派遣先企業は派遣会社に時給に20~30%程度上乗せした契約料を派遣会社に支払っているので、こちらが思っているほどの格安感はないかもしれませんが。
まとめると…
- 若年層は正社員としての採用も増えているので、即戦力の派遣社員としてはエルダー層のニーズは十分あり
- キャリア、スキル豊富なエルダー層を格安で雇用できるので、企業によってはエルダー層を希望する会社もあり
- 逆にいうと、事務職としてのエルダー層の正社員転職はまだまだハードルが高い
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